【★4】米ドラマ「ホワイトカラー」は流行りのプロットで爽快感を味わう清涼飲料【感想】

2015/10/06

★4 映画ドラマ批評



ほし:★★★★☆ (4/5)
寸評:一言で表すなら「気持ちのいいドラマ」。元詐欺師ニール・キャフリーが FBI に捜査協力して難事件を解決していくという、まぁぶっちゃけ使い古されたようなプロット。しかしそれは気持ちのいい「ギフトもの」の導入と、気持ちのいいヒューマンドラマへの入り口。「なんでやねーん」とか「んなわけあるかーい」という感情になることがとても少なかった(もちろん何回かあったけどね)。観ていて気持ちよくなる、気分よくなる





最近ね、海外ドラマ見すぎなんですよ。到底感想のエントリなんて長々と書いてられないペースで見てるんです。
いや実際は書けるよ、ゲームしなければね。でもゲームはしたいじゃん。
もしくは一回ごとのボリュームを減らせばね、サラサラッと簡単に書けばね、見たヤツ全部書けるよ。
ボリュームって。
ほとんどドラマの話してねぇんだよなぁ。その時思いついた話をただただ指の向くまま気の向くまま書いているだけで。
だからボリュームを減らすとか。ちゃんと本題だけを書くようにすればいいだけ。

そんな! 本題だけを書くなんて! 批評家か! おすぎか! お化けそら豆か!
いやまてピーコか? どっちだ映画評論家は……。
うーん、考えてみよう。ピーコは片目が義眼で、いつもサングラスをかけてる。
山本浩二が広島の監督してた時に黄色いサングラスいつもしてたからピーコと言われるようになったけど、監督を見て「辛口批評しそうだな」と思ったじゃん、みんな。日本国中のみんなが。
ってことはお昼のワイドショーとかで三越近辺ぶらぶらしてるマダムとっ捕まえて唐突にスカーフのセンスを貶したり、ヒールが高すぎて下品だと罵ったりしてた事を「辛口批評」と言っていたワケで、つまりはピーコが服飾の方でおすぎが映画の方だろ。
いや、まてよ、おすぎだって映画ボロクソに言う事あるよな……。あ、でもスポンサーのご意向には逆らえない業界だし、いつもいつも批判的な事いってられないからやっぱ辛口批評といえばピーコだろ、うん。
映画批評にでてる七三おかまはグラサンなんかしてなかったし。たぶん。

ほらね、こういうヤツ。こういうのが本題じゃないって言ってんの。ね。
題名見てごらんなさいよ。ドラマのホワイトカラーについて語ろうって、そういう寸法なわけでしょ。
話の寸法が合ってないんだよ、まったく。これっぽっちも。池乃めだかが L サイズのランニング着てるぐらい合ってない。
あ、ちなみに「お化けそら豆」はおすぎの事じゃなくて水野晴郎のことだよ。

もうね、軌道修正する気ないみたいですね。話が逸れたところからさらに逸れていく感じね。さらにちょっとボケを重ねていこうなんていう貪欲な姿勢も見せて。
発散&発散。収束とは。

しかし、その「発散」を繰り返すことで逆に数学的帰納法のごとく「収束」を見せるドラマ、それがこの「ホワイトカラー」だッ!

こういう無駄にボリュームだけある脱線を、うまく本筋に戻していくこの軽妙なトーク術! う~んこれはモテる。合コンでも大活躍間違いなし!
唯一の問題は、ウソだってことだけ。まったくそんなドラマじゃないです。寸評読んだ人なら絶対そんなドラマじゃないの分かってると思うけど。

もういい加減本筋に戻すけども。
このホワイトカラー、原則的には昨今の「ギフトもの(私が勝手に呼んでるプロット)」の流れ。
ピーター・バーク率いる FBI 知的犯罪班と、それに協力をさせられることになった元詐欺師ニール・キャフリー。このニールがとんでもないスゴ腕で、絵画偽造から宝石鑑定まで何でもござれの超人。ニールにかかれば人のウソを見抜くなんて朝飯前。なので犯罪捜査に協力する立場となると、その能力を如何なく発揮して数々の詐欺事件を解決していくというね。
ざっくりとプロットを説明すると、あー流行ってるヤツね、ってことになる。

最近流行っている奴は、至極まっとうに超人である事が多い。けれどホワイトカラーでは、少し昔ながらの(それこそ 20 年、 30 年ぐらい前から使い古されているような)手法すなわち「元犯罪者だからその筋ではスゴいんだよーん」という設定になっている。
まぁこの設定、腐ることはないね。連続で来ると飽きるけど。この設定で天下を取ったのは間違いなくハンニバル・レクター博士なんだけど、あれ以来 20 年を経ても尚腐ることなく「元犯罪者だからスゴい」的なストーリーは生き続けている。
見てみると、やっぱりこの設定は各キャラクターを生き生きとさせる。分かりやすいし、超能力に納得もいきやすい。何より人間の想像の範囲内で超人してくれるので「そんなわけないやろぉ~」みたいな引っ掛かりが少ない。
野球漫画で打率 .600 のライバルとか出てきても興ざめしてしまうが、ニールはちゃんと .392 ぐらいのところに収まっている。
我々がイチローを見て「すげぇ~」って言っていたのと同じような心境に、このホワイトカラーはさせてくれる。
すごく簡単にいえば「見ていて気持ちがいい」ドラマ。

このドラマ、見終わった後に記憶に残るのは結局人間関係の機微。
天才詐欺師であるニールを信頼することはできず、常に疑いの目を向け続ける FBI。ニールもそれは分かった上で協力を続ける。ピーターはそんなニールと接し続けていくことで、徐々に人間的な信頼を寄せるようにもなる。しかしニールの身には時折々、数々のピンチが降りかかる……。ニールは自分のことは自分で対処しようとするが、しかし FBI から得られた信頼は崩れ疑念を生む……。
とまぁ、そういったメンタル部分の山あり谷ありが記憶に残っていくドラマ。これは全体の構成がうまいと思う。結局は詐欺事件の連続だけでは視聴者飽きてしまうだろうし。全体の大きなストーリーの筋として「超巨大極悪詐欺組織!」みたいなのを作るよりはヒューマンな部分をクローズアップしたのは気持ちよかった。
この筋をミスると FRINGE みたいなことになる。

そんな感じ。
「元犯罪者だからその筋にはスゴい」で気持ち良くなり、さらに「人間関係のモヤモヤした部分が解消していく」でさらに気持ちよくなれる、とってもいいドラマ。
時間が空いたらぜひ観てもらいたいですな、コレは。

ブログ内検索

ブログ アーカイブ

Ads

QooQ