「横浜カースト」の決定版をつくろう!

2020/02/17

ローカルネタ 横浜カースト

横浜には 18 の区がありますが……
横浜カーストの 2022 年版を作成しました! より細かく、より詳細に、思い入れを込めて大量の解説を入れています!↓

根拠ある「横浜カースト」を語ろう

横浜市、それは「わたくし横浜に住んでおりますの」なんてお高くとまった連中の住む街。
市外に住む人はみな、赤レンガ倉庫とランドマークタワーと「ゆず」が横浜のすべてだと思っているんだ、きっとそうなんだ。

実際横浜在住の人間なら、横浜市郊外に山野が広がっていて「いったいどこまでが横浜市なんだ……」と驚いた経験が、一度や二度はあるハズ。
横浜市は経緯的に、かなり市域を拡大に拡大を続けてきているので、まぁそういう事になっているんだけども。
そんな状況だから、いつしか自然発生的に「あそこは横浜っていっても都会的な要素ゼロだから格下」のような格付け厨、または「山下公園近辺だけが本来の横浜であって、それ以外は全部ニセモノの横浜なんだよな!」のような横浜原理主義者、「中区と戸塚区を一緒にしないでくださいます!?」のような序列付け大好き勘違いマダム達の台頭を許すことになった。

形を変えながら、そして自然発生的に「どの区が横浜を名乗るのにふさわしいか」は継続的に議論の対象となっていった。いつしかそれは「横浜カースト」と呼ばれるようになった……。

当たり前だが「横浜カースト」は個人の感覚で語られる

簡単に言えば「横浜市内の各区のランキング」なので、個人個人で観点が違うじゃん。そしたら当然理屈もへったくれもない「ただの個人的な感覚」で語られるのが横浜カーストの常だったんだよね。
特に勘違いマダム達は、自分達こそがハイレベルな人間であって、他の区と一緒にされたくはないという気持ちが強すぎる。ゆえに何にも根拠のない「こっちが上だ」みたいな理論を振りかざすんだよね。

「横浜カースト」って、いうなればただの市民内輪向けのジョークなんだよね。ジョークを成り立たせるには、それなりに根拠が欲しいじゃん? だって根拠がないと楽しい会話ができないよね。会話をするためのプロトコルとして、評価軸が必要だからさ。
たとえば人口が多いとか少ないとか、電車の路線がこんなにいっぱいあるとか、横浜駅まで何分で着くとか新橋まで何分で着くとかさ、それなりに根拠が欲しい。

なんていうか、野球のシーズンオフみたいなもんでさ。
去年は巨人が優勝したけど、今年はローテーションにいた山口が抜けたから……とか、そういう理屈をコネて、そんで「だから巨人は弱い」とか「巨人は今年も優勝」とか、そういう結論に持っていく行程が面白いわけ。

根拠をつけて「横浜カースト」を語ってみる

んじゃ同じように、横浜カーストでも「実にそれっぽい」根拠とともに各区に点数をつけていったら、それっぽい「決定版横浜カースト」ができるんじゃねぇの? っていう気持ちで作ってみた。
まぁ最終的には個人の感覚で順位の上下はあるんだけど、「なんか一定のルールっぽいもの」を作ると、イイカンジに物差しにはなってくれるって気はするんだよね。

決定版! 2020 年時点の横浜カーストはコレだ!

順位
1 西区
2 中区
3 神奈川区
4 港北区
5 都筑区
6 青葉区
7 鶴見区
8 緑区
9 南区
10 戸塚区
11 保土ケ谷区
12 磯子区
13 旭区
14 港南区
15 金沢区
16 泉区
17 栄区
18 瀬谷区

カーストの根拠を示そう!

「横浜」という言葉から受ける印象からいって、まず「都会的」でないと横浜っぽくはない。
というわけで、その「横浜度」を一定の評価軸に乗せるため、横浜の各区を以下の 7 つの評価軸でスコアリングしてみた。
  • 地価
  • 地価上昇率(前年比)
  • 人口増加率(直近 20 年)
  • 東京 23 区との距離
  • 山下公園との距離
  • 電車路線
  • 有名ランドマーク

どういう評価を行ったかは以下の通り。

地価

文字通り、地価。
地価が高いということは、それだけ多くの人から「都会的」と思われていることと考えて。

地価は以下サイトを参考にした。
https://tochidai.info/kanagawa/

地価上昇率

地価がただ高いだけではなく、近年上昇しているということも加味した。「近年評価が高まっている」という事は人気が高まっているということで、つまりそれは「都会的」になりつつあるという解釈。

地価上昇率も、地価と同様に以下サイトを参考にした。
https://tochidai.info/kanagawa/

人口増加率

過去 20 年での人口増加率で「どれだけ注目を集めているか」を評価した。地価上昇率と同様に、「近年評価が高まっている」かどうかを判断する材料の 1 つとして。
横浜市全体の人口増加率に対して、上回っていたらプラス評価、下回っていたらマイナス評価をしている。

人口増加率については横浜市のサイトを参考にした。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/tokei-chosa/portal/kankobutsu/yokohamajinko/h30dotainenrei.html

東京23区との距離

横浜は東京から距離もそれほど離れていないことも魅力の 1 つであるはず。ベッドタウンとしても機能する。
となると東京 23 区からの距離が近い方がより横浜度は高いはず。

距離に関しては、ざっくり 5 段階評価。

山下公園との距離

歴史を紐解けば「横浜村」が横浜の原点であって、その中心地が今でいう山下公園。歴史的経緯で、より横浜に近いということは横浜度が高いという解釈。

距離に関しては、ざっくり 10 段階評価。

電車路線

電車の利便性が高いということは、当然都会的ということ。
その区に路線が通っていることだけではなく、停車する駅が存在することを評価対象とした。
たとえば「保土ヶ谷駅」は東海道線と横須賀線が線路として通るが、実際に止まるのは横須賀線だけなので東海道線としての評価はしない。

電車路線の利便性をざっくり 3 段階に分けて、区内に駅があるごとに加算して算出。

有名ランドマーク

たとえば「港の見える丘公園」なんて横浜を象徴する公園だけど、それは人口や人口上昇率には影響を与えにくそう。
「有名な施設がある」ということは、それだけ横浜度が高いという事ととらえて、有名ランドマークごとに加点評価をしている。

これら評価軸で採点した結果がこちら

前述の評価軸で採点した結果が以下の表。


Google スプレッドシートに元データがあります。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1dfhBrpBFfUIgT6dQmyLVc-du5B83NKvu-USkN7CoN-s/edit?usp=sharing

各評価を均すために、ちょっとずつ重みづけを変えてるんだよね。
だけど、その重みは感覚でつけてるからその重みづけの感覚によっては順位の前後はあるだろうけども、まぁトップは揺るがないだろうね。この評価軸でやっている限りは。

他のシートに集計データや重みが記載されているので、確認したい場合は Google スプレッドシートをどうぞ。

各区のポイント

今回の順位ごとにポイントを押さえておこうかなと。

1位. 西区

不動。絶対的王者。みなとみらい、桜木町を抱えている限り横浜カーストの頂点を譲ることはないだろう。
他との点差も圧倒的。

2位. 中区

古くからの横浜中心地として、数多くの有名施設を抱えていることが圧倒的 2 位につながった。
実際地価は 2 位であるものの、元から中心地であったため地価上昇率・人口増加率で不利な状態であった。
赤レンガ倉庫、山下公園、ハマスタを抱えている限り、横浜の中心地として 2 位の座は揺るぐことはないだろう。

3位. 神奈川区

地価、地価上昇率で 3 位につけており、かつ電車路線が極めて優秀だったためランドマーク個数ゼロであるにも関わらず全体 3 位に食い込んだ。
相鉄 JR 直通線により「羽沢横浜国大駅」ができ、これが神奈川区であったということがかなりプラスに作用した。
そもそも神奈川区は、古くは東海道の神奈川宿であり「横浜」というよりは「神奈川」としての中心地であり歴史はある。ある意味納得の 3 位ではある。

4位. 港北区

新しい横浜、新時代を象徴するのがこの港北区と言ってもよいかもしれない。
まず「新横浜駅」を抱えているのが大きい。また、一時期第三京浜に恒常的な渋滞を引き起こしていた IKEA 港北も港北区
※2022/05/27修正:コメントで「IKEA港北は都筑区」と指摘もらいました。
計画的な大規模ニュータウンが広がっており、大変人気のエリアである。
地価・地価上昇率も全体 4 位、人口増加率も全体 4 位であり、安定した人気を裏打ちするデータとなっている。

5位. 都筑区

爆発的とも言える人口増加率がこのランクに入ったすべてとも言える。
人口増加率は、圧倒的な全体 1 位。古い既存の街並みに左右されない新しいベッドタウンを構築できることから大量の新規流入がある模様。
横浜の中では東京よりのエリアであるし、人口増加に伴って鉄道も整備されつつある。これからも上位にランクされ続けることは確実だろう。

6位. 青葉区

最も東京に物理的に近く、ベッドタウンとしてベースの素質がいい。横浜中心部との距離は遠く、また関連性も低いので「横浜度」という意味では正直希薄。横浜というよりも、感覚としては東京 24 区という感じに近い。
その方向性を出す最大の要因は、横浜青葉インターの存在だと考えられる。
東京に近いことによる加点と、東名高速のインターがあるということから知名度もある程度確保されて、将来的にも一定の存在感を出し続けられると想定できる。

7位. 鶴見区

東京の東側にアクセスしやすい電車路線構成がプラスに働いてこの順位。
かつて「日本一汚い川」に選ばれた鶴見川が、もっとも有名な鶴見に関するランドマークというのが少し皮肉。
そもそも古くからの工業地帯を抱えているため、川が汚いなんて仕方がないことなんだけれども。
古い街なのでこれ以上上位を狙えないかと思いきや、一発逆転の可能性も残されている。
国道 357 号が今、羽田空港から多摩川トンネルを作って川崎まで工事をしている。逆にベイブリッジで大黒ふ頭までは国道 357 号は来ている。ここで鶴見が新しい橋をかけて埋め立て地エリアを再開発して新たな横浜を象徴するようなランドマークを作成することができれば、一気に劇的にランクを上げることだってできるかも。

8. 緑区、9. 南区、10. 戸塚区、11. 保土ヶ谷区

総合得点 20 点代の中堅集団。
鉄道的にこれから上昇する目もなく、南区や保土ヶ谷区は人口増加が市平均以下で上昇する気配がない。
唯一緑区だけが東京に近い地の利を生かして上昇があるようにも思われるが、他の区を上回る気配があるかというと……。
とりあえず「横浜在住です」と言っても肩身の狭い思いをしなくてもいいラインにいるのは確実。胸を張ってハマっこを気取ろう。

12. 磯子区、13. 旭区、14. 港南区、15. 金沢区

磯子は現代的な工業地帯を抱えているため横浜っぽさがあるはずなのだが、得点は伸びず。
なにより交通機関が足を引っ張った模様。電車がなければ人口も増えない。
旭区にズーラシア、金沢区に八景島シーパラダイスが無ければ最下位争いに参加するハメになってたワケで、旭区二俣川在住の僕としては心から「ありがとうズーラシア!」と叫びたい。

16位. 泉区

人口増加は市平均以下、距離は遠くて電車も不十分(相鉄いずみの線とブルーライン)。
なんか横浜市といいつつ、車がないと生活不便になるレベルなのでは? と思わせるレベルで鉄道が弱い。
小田急と接続する湘南台駅が泉区でないことが実に悔やまれる(湘南台駅は藤沢市)。
でも湘南台には出やすいから、新宿に行く分には結構早いんだけどね。

17位. 栄区

こちらは泉区に輪をかけて鉄道が悲惨。
根岸線の本郷台駅しかない。南北方向へ移動するには、いつも渋滞しているイメージの環状 4 号で車・バス移動するしかなく、不便。かつて存在していたドリームランド(現ドリームハイツ)と大船駅を結んでいたモノレール、ドリームハイツ線が設計不良で廃線に追い込まれたのが悔やまれる。

JR の大基幹駅である大船駅が栄区でないことが実に悔やまれる(大船駅は鎌倉市)。駅構内の半分は栄区なんだが……。この僅かな差で大船を失ったのが辛い。もし大船があれば湘南新宿ラインも東海道線も手に入っていたのに……。

18位(最下位). 瀬谷区

正直「あ、瀬谷って横浜だったっけ?」って最後まで言われるレベルで存在感がない。海老名市、大和市、瀬谷市って並んでいるって認識でいる人がある一定の割合いるんじゃなかろうか?

地価・地価上昇率・人口増加率ですべて栄区を上回るも、山下公園との距離、路線評価で後れを取り最下位となってしまった。
瀬谷はスプロール化の極みみたいな市街地を抱えてしまっているので、よっぽど区画整理事業を行わない限り上昇の目はないだろう。
だけど横浜市であるがゆえに、横浜市が瀬谷の区画整理に予算をまわすとは思えない。
横浜市でなければまだ可能性もあっただろうに……。そういう意味でも、横浜にもっともマッチしない区なのかもしれない。

下位争いは、かなり熾烈

正直、評価の重みづけによって最下位はいくらでも入れ替わると思う。
地価・地価上昇率の最下位は栄区人口増加の最下位は港南区なので瀬谷区以外にも「本当に横浜名乗ってていいんだろうか……?」と心配になる区はたくさんある(もちろん、私の住んでいる旭区もかなりアヤシイところにいる)。
また、長期的にみれば「かつての港南区は、今の港北区・都筑区」とも見ることができる。ニュータウンで勢いを増した区は、将来的に凋落していく可能性も秘めている。

これからの展望

最近の傾向として、やはり「東京から遠い土地は敬遠される」というのが大きいかなぁと思うんだ。
これを調べていてたまたま気が付いたんだけど、南区以南の区はほぼすべて人口が市の人口増加平均以下なんだよね。
例外は戸塚区だけ。東海道線と湘南新宿ラインのパワーがすごいんだなぁと感じるよね。つまりそれだけ論理的に東京に近いから人口流入がまだあるってことだよね。やっぱ東京ってすげぇなって。

横浜の事を調べていて、東京への一極集中がやっぱりすごいんだってことを再認識することになってしまった。なんだか変な気持ち。

そんなことはさておき、これから大きくランキングが変動する可能性はあまりない。
あるとすれば鶴見区、国道 357 号の全通がキッカケになるかもしれないぐらい。

ある程度根拠のある「横浜カースト」を出してみました。みなさんの心の中のランキングとも大枠で一致する結果になったんじゃないかと勝手に満足してます。
こういうデータ集めて好き勝手言うのは、やっぱり面白いね。

ブログ内検索

ブログ アーカイブ

Ads

QooQ