【2022年版】横浜カーストの最新版をつくろう!

2022/05/28

ローカルネタ 横浜カースト

横浜カーストをデータから導き出す試み

2020 年に「横浜カースト」をデータから導き出す試みをしてみました。

やってみたら結構面白かったんで、せっかくだから 2022 年版も作ろうと思います。今回は、もう少しデータを細かく使って、より「納得感」の強いランキングを作れればいいなと思っています。

2022 年時点の横浜カーストはコレだ!

まずはランキング発表!
細かくデータを分析した結果、 2022 年ランキングは以下となりました!

2020 年版とはデータの基準が違うので並べるのは本来ダメだけど、分かりやすさ優先で前回比ランク上下も記載しています。

順位 前回比
1 西区
2 中区
3 神奈川区
4 港北区
5 都筑区
6 青葉区
7 戸塚区 3
8 鶴見区 1
9 保土ケ谷区 2
10 南区 1
11 緑区 3
12 港南区 2
13 磯子区 1
14 旭区 1
15 金沢区
16 泉区
17 栄区
18 瀬谷区

やはり西区は絶対王者。キング・オブ・キングス。アリス。谷村新司。西区は谷村新司。いや、別にディスってないです。すごいなって話。
上位陣は「馴染みのメンバー」と言ったカンジです。

ランキング算出の元データ

算出の基準データは 2020 年版と変化なしです。ただし、引用元を変更したり、評価方法を変更したりしています。
どのように変更したかは、各項目の詳細説明に記載します。

非常に長いので、各区の解説に進みたい場合はコチラをクリックしてください。

今一度、このデータを使うコンセプトを書いておきましょう。
「横浜カースト」という言葉を用いた時、ここで言う「横浜」というのはどのようなイメージで使われているんでしょうか?
「都会的」「モダン」「有名スポット」「活気ある港町」などの印象で語られているんじゃないかと思います。横浜の 18 区それぞれについて、どの程度こういうイメージに適合しているのかスコアリングしようじゃないか、「横浜度」を評価してみようじゃないか、という試みでございます。

以下の 7 つの評価軸でスコアリングしています。

  • 地価
  • 地価上昇率(直近 20 年)
  • 人口増加率(直近 20 年)
  • 東京 23 区との距離
  • 山下公園との距離
  • 電車路線の利便性
  • 有名ランドマーク

続いて、それぞれの評価軸をどう数値化したか詳細を説明します。

地価

文字通り、地価。
地価が高いということは、「人気が高いエリア」と言えると思います。人気が高いということは人が多く集まる、つまり「都会的」だろうという評価です。

  • 市平均から見て高いなら加点、低いなら減点します。
    (前回は「最下位の区から見て何 % 高いか?」を加点していました)
  • 住宅地、商業地それぞれ分けて評価します。
  • 概ね標準偏差が 5 程度になるように重み付けしています(住宅地標準偏差 4.85)。
    商業地は、西区のせいで標準偏差 23.96 です……。

2020 年は「地価データサイト」を利用していましたが、データ収集元を神奈川県の地価レポート (*1) に変更しています。地価上昇率の集計の関係で、こちらも変更しました。

地価上昇率(直近 20 年)

地価がただ高いだけではなく、近年地価が上昇しているということも加味しました。
一般的に、人気が高まっている街には人が流入し、比較的若い人向けの商業が活発化します。新しい商業サービスが次々と生まれることで「活気ある港町」というイメージにつながるのではないか、という評価です。

  • 市平均から見て高いなら加点、低いなら減点します。
    (前回は「最下位の区から見て何 % 高いか?」を加点していました)
  • 住宅地、商業地それぞれ分けて評価します。
  • 概ね標準偏差が 2 程度になるように重み付けしています(住宅地標準偏差 2.16)。
    商業地は、西区のせいで標準偏差 11.05 です……。

こちらも、 2020 年は「地価データサイト」を使いましたが、データ収集元を神奈川県の地価レポート (*1) に変更しています。
変更理由は、直近 20 年のデータが使いたかったためです。2020 年は「前年比の地価上昇率」を比較していたのですが、ブレの大きい単年データよりは 20 年程度のスパンで比較する方が良いと考えました。

人口増加率(直近 20 年)

地価上昇率と同様、人口増加率も「人気が高まっている」ことを測る指標としました。
新規流入が多いことを、より直接的に測ることができると思います。
地価上昇率と人口増加率は意味合いがかぶるため、数値化の重み付けで若干小さめの数値になるようにしています。

  • 市平均から見て高いなら加点、低いなら減点します。前回も同様です。
  • 概ね標準偏差が 2 程度になるように重み付けしています(標準偏差 2.09)。

東京 23 区との距離

横浜は東京から距離もそれほど離れていないことも魅力の 1 つです。ベッドタウンとしての機能も考慮して、東京 23 区との近さを「都会」の指標にしています。

  • 距離は、ざっくり 5 段階評価。直近の 23 区と地図上での最短距離を計測しています。
  • 概ね標準偏差が 1.5 程度になるように重み付けしています(標準偏差 1.29)。

山下公園との距離

歴史を紐解けば「横浜村」が横浜の原点であって、その中心地が今でいう山下公園です。
かつての横浜港の中心地、税関などのモダンな建築物の数々が「これぞ港町・横浜」と言えます。
歴史的経緯にリスペクト、ということでより山下公園に近い方が横浜度は高いと評価しています。

  • 距離は、ざっくり 10 段階評価。山下公園と地図上での最短距離を計測しています。
  • 概ね標準偏差が 3 程度になるように重み付けしています(標準偏差 2.98)。

電車路線の利便性

電車の利便性が高いということは、それだけ都会的と言い換えることもできるでしょう。また東京へのアクセスを考えた時、電車の利便性はすなわち都会への近さと言えます。
電車路線を評価する際、路線が通っているだけではカウントせず、停車する駅が存在する場合のみカウントしました。
たとえば「保土ヶ谷駅」は東海道線と横須賀線が線路として通るが、実際に止まるのは横須賀線だけなので東海道線としてはカウントしません。

  • 電車路線の利便性をざっくり 3 段階に分け、区内に駅があるごとに加点します。
  • 概ね標準偏差が 4 程度になるように重み付けしています(標準偏差 4.05)。

有名ランドマーク

人々が集まる有名スポットを抱えているならば、当然それは「横浜度」が高いはずです。有名スポットを訪れる客から見れば「横浜の観光地」と認識して訪れるはずです。つまり、有名スポットを抱えているだけで「横浜である」と多くの人から認められています。
多くの人を集める観光スポットがあったとしても、人口や人口上昇率に影響を与えにくいと予測できます。
横浜観光を担っている事にリスペクト。特別にランドマークごとに加点します。

  • ランドマークがあるごとに 5 点加点します。
  • 標準偏差は考慮しません。

前回 2020 年版と比較して、ランドマークは以下の変更点があります。

  • 以下のランドマークを削除しました。
    • IKEA
    • ららぽーと
    • 本牧
    • 横浜青葉IC
  • 以下のランドマークを追加しました。
    • 横浜中華街
    • 横浜アリーナ
    • 日産スタジアム
    • 横浜外国人墓地

スコアリング結果はこちら

前述の各項目で評価してスコアリングした結果は、以下 Google スプレッドシートにまとめてあります。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1XbFm_CfZi-4J-jiOHjG08FnvdMnEGy3LuV_b0ae73Dw/edit?usp=sharing

表だけを画像にしたものも貼っておきます。

各区のポイント

2020 年でもポイント説明を行いましたが、 2022 年版の内容で更新しています。

1位. 西区

総合得点 172.58

不動。絶対的王者。みなとみらい、桜木町を抱えている限り横浜カーストの頂点を譲ることはないだろう。
特に商業地の地価、地価上昇率が異次元。地価(商業地)で、驚きの 91.69 ポイント。 2 位の中区が 9.52 ポイントである事からも、そのあまりに異次元すぎる地価が理解できるだろう。
同様に地価上昇率(商業地)でも 2 位以下を大きく引き離す 39.42 ポイント( 2 位は神奈川区の 10.53 ポイント)。西区が絶対王者たる所以を、これでもかと見せつけられる格好となった。

あまりに異次元すぎて西区が横浜市全体の平均を引き上げてしまい、商業地地価・地価上昇率では 13 区がマイナス点に叩き落されている。
舞い踊る獅子を、もう誰も止められない。

2位. 中区

総合得点 67.79

中区は、古くからの横浜中心地。赤レンガ倉庫や税関など、明治モダンな街並みを抱える、まさに This is "横浜" とも言うべきエリアだ。
数多くの有名施設を抱えていることで、なんとか 2 位に滑り込んだ形となった。

歴史ある高級住宅地山手の力で、地価(住宅地)は 1 位を獲得。中華街があることで、地価(商業地)も西区の 2 位に付けた。不利と思われた人口増加率についても、全体 4 位とまずまずの結果を残している。
しかし中区最大のアキレス腱とも言える電車路線評価が足を引っ張り(全体 6 位)、ランドマークを除いた点数では神奈川区の後塵を拝している(中区 37.79、神奈川区 46.58)。
ランドマーク加点、ベイブリッジ、横浜港、みなとみらい地区、ハマスタ、中華街、外国人墓地の 6 つで 30 点を加算しての 2 位となっている。

「港町横浜」のカンバンを再び背負って、どっかりと 2 位に腰を据えてもらいたいと望むのは、私が横浜市民だからこそだろうか。みなとみらい地区の商業地開発によって商業地の地価を上昇させられれば、比較的容易に実現できる未来だと思う。

3位. 神奈川区

総合得点 46.58

ランドマーク加点を除けば全体 2 位に入る大健闘っぷりを見せた。
そもそも神奈川区は、古くは東海道の神奈川宿であり「横浜」というよりは「神奈川」としての中心地であり歴史はある。その歴史ある宿場町が、さらなる成長を見せた。
東神奈川駅近辺の再開発、コットンハーバーの開発、横浜駅前鶴屋町再開発により、地価(商業地)は全体 3 位、地価上昇率(商業地)は西区に次ぐ全体 2 位となり、これが中区に肉薄する原動力となった。
電車路線も極めて優秀で、東横・JR・京急・市営地下鉄が利用できるのが素晴らしい。路線評価も全体 2 位の 15 ポイント(1 位は西区の 17 )を獲得している。
相鉄 JR 直通線により「羽沢横浜国大駅」ができ、これにより湘南新宿ラインを手に入れたのが大きくプラスに作用している。
しかし、歴史ある宿場町であるにも関わらずランドマーク個数ゼロのため、総合 3 位に甘んじることとなった。
今から歴史をやり直すことはできない。しかし、今から歴史を作ることはできる。新たなランドマーク創成を目指し、有名なスポットを作ることができれば中区を逆転して 2 位になることも夢ではなくなるだろう。

4位. 港北区

総合得点 43.08

神奈川区にわずか 3 ポイント及ばず 4 位に甘んじた。
日吉、綱島、新羽など、人気の高い住宅地が港北区のランキングを下支えしている。地価(住宅地)は全体 2 位の 9.47 ポイント( 1 位は中区の 10.72)と、相当人気が高いことが伺える。
そしてランドマークも優秀だ。新横浜駅、横浜アリーナ、日産スタジアムの「新横浜御三家」が 15 ポイントを獲得し、大きく総合得点に寄与している(ちなみにランドマークが無くても総合 4 位は変わらない)。
一方商業地では伸び悩んだ。地価(商業地)は 3.79 ポイントで全体 5 位、地価上昇率(商業地)ではギリギリプラスの 0.59 ポイントで全体 5 位である。
神奈川区がそれぞれ 8.74 ポイント(全体 3 位)、10.53 ポイント(全体 2 位)なので、商業地の差がそのまま順位の差となって現れた形だ。
新横浜、日吉、綱島をコアとする区だけに、ここから商業を大きく伸ばすのは難しいかもしれない。
近年、港北区にもアピタテラス横浜綱島、トレッサ横浜など立て続けにショッピングモールが建設されている。しかし、商業地の地価を上げることには繋がっていないようだ。
まぁ周辺に強力な商業エリアがあるからね……。川崎ラゾーナ、都筑区のららぽーと、センター南北、横浜駅近辺のデパート群……。
商業地で上がり目を作るのは、ちょーっと無理かもしれない。

しかし港北区には、最終兵器がある。今年 2022 年に開業予定の、東急新横浜線だ。
まずは新路線のため、確実に 1 ポイントの鉄道加点が見込まれる。さらに、新綱島駅の新規開業による商業地需要アップが地価上昇にプラスに作用する可能性もある。
来年、もしかしたら港北区が神奈川区を抜いて 3 位になっている、かもしれない。

5位. 都筑区

総合得点 18.04

都筑区を 5 位に押し上げた原動力は、その人口増加率だ。
人口増加率で、全体 1 位の 4.34 ポイントを獲得( 2 位は西区の 4.12 )。
元々、なーんにもない広大な土地を擁しており、それをニュータウンに転換していった。古い既存の街並みに左右されない宅地開発。優良な宅地と、比較的手厚く用意されているファミリー向けの施設。横浜市内でも群を抜く質の高い宅地を提供できたがゆえに、この人口増加率になっているのだろう。
物理的に東京に近く、人口増加に伴って鉄道も整備されつつある。これからも人口増加は安定して続くのではないだろうか。
さらに、人口増加に伴い地価上昇率(商業地)も伸びている。西区、神奈川区に次ぐ全体 3 位の成績は立派と言える。ほど近くに「 IKEA 港北」と「ららぽーと横浜」、さらに「モザイクモール」と「東急百貨店」を集め、相乗効果が発揮されていることが想像できる。
商業地の地価自体は全体 8 位ながら、上昇の伸びしろがまだまだあるとも言える。今後も継続して上位にランクされ続けることは確実だろう。

6位. 青葉区、7位. 戸塚区、8位. 鶴見区

青葉区:総合得点 13.56
戸塚区:総合得点 8.68
鶴見区:総合得点 4.80

この 3 区は少し毛色が違う区に見えるが、同じ特徴を持つ。
人口増加率が市平均を上回っている、という特徴だ。これは、ひとえに「東京との近さ」および「電車路線の優秀さ」のおかげだろう。
鶴見区は京浜東北線により、品川へのアクセスが良好だ。
戸塚区にある戸塚駅からは、東海道線により 26 分で品川駅に到着できる。
青葉区に至っちゃ、横浜駅に出るよりも渋谷に出る方が何倍も楽だ。
東京への電車アクセスが良好なため、この 3 区は人口増加率で平均を上回った。

一方「東京に出やすい」事の弊害なのか、商業地は伸びていない。戸塚区だけは 20 年前と比較して地価上昇率 106% と僅かにプラスを確保したが、青葉区と鶴見区はマイナスだ。「東京に近い」という特性上、商業地に高い価値を維持するのは中々難しいだろう。両取りは難しいので、まずは住宅地の価値を高める事ができれば順位を上げることも可能だろう。

9位. 保土ケ谷区、10位. 南区

保土ケ谷区:総合得点 2.57
南区:総合得点 2.22

ここまでが、総合得点プラスの集団である。つまり保土ケ谷区、南区は堂々と「横浜です!」と言うことができる。
この 2 区がこの順位に食い込んだ最大の理由は地価上昇率だろう。ほぼ市平均を維持しており、大幅な加点とはいかないまでも、減点もされていない。
地価上昇率(住宅地)では、それぞれ -0.64 点、 0.23 点とほぼ市平均である。また、地価上昇率(商業地)では、それぞれ -0.59 点、 -2.43 点となっており、それほど大崩れしない結果となっている。

逆に、この 2 区の足を引っ張っているのが電車の路線評価だ。単純に通っている路線が少なく、今後これが強化されることは考えにくい。結果として人口流入が増えるとは考えづらい。それに引きずられる形で商業地の評価も高まりづらい。
特に南区は港南台高島屋が 2020 年に閉店しており、これから人口流入が増えないとなると大型商業施設について厳しい状況が続くと想定できる。

今後もこの順位、そして総合得点プラスを維持するためには、郊外型の商業施設など商業地の地価底上げができると良いように思う。しかし、この 2 区は場所が少し中途半端だ。横浜から遠くないためどうしても競合してしまうが、かといって郊外型大型店舗を用意するほどの広い土地やアクセス性の高い道路が確保できるわけでもない。
今後、金沢区、栄区には「横浜環状南線」需要が想定される。商業地の伸びを欠く中、この 2 区が総合得点プラスに留まるのは困難が予想される。

=== 0点の壁 ===

ここから先に登場する区は、総合得点 0 点を割った区だ。
横浜カースト下位である。「どこに住んでるの?」と聞かれたら、答える時に少しだけ奥ゆかしく「一応、横浜だよ」と答えるぐらいで丁度いい。

11位. 緑区、12位. 磯子区、13位. 港南区、14位. 旭区、15位. 金沢区

緑区:総合得点 -0.92
磯子区:総合得点 -7.36
港南区:総合得点 -7.85
旭区:総合得点 -8.11
金沢区:総合得点 -8.22

これらの区がマイナスになったのは、西区のせいである。
西区の地価(商業地)、地価上昇率(商業地)が高すぎるせいで平均が引き上げられ、ここの 5 区が煽りを受けた形となった。
地価(商業地)と地価上昇率(商業地)を合わせると、緑区 -13.54、磯子区 -17.43、港南区 -17.66、旭区 -17.86、金沢区 -16.71 と、大幅マイナスである。これが西区のせいでなくて何だというのか。コツコツ積み上げたブロックのお城を広辞苑でぶん殴られてるに等しい所業だ。
しかし嘆いても仕方がない。西区は王なのだから、逆らってはいけない。

緑区に関しては、たった -0.92 のマイナスだ。地理的にも東京に近いため有利である。住宅地の整備、ファミリー向け設備の拡充により新規流入人口を増やすことも比較的容易だろう。加点することができれば、晴れて総合プラスに転じ、大手を振って「横浜です!」と答える身分になれるだろう。
それ以外の区については、すべての指標でマイナスとなっており、順位を上げていく要素を見つけるのが難しい。

しかし、近い将来、大きく加点が期待できる区もある。旭区と金沢区だ。

旭区の加点要素は、相鉄東急直通線の開通だ。2022 年、相鉄線が東急に直通運転が行われるようになる。JR相鉄直通線よりも高頻度な運転が想定されており、東京へのアクセス利便性の大幅向上が見込まれる。
これにより相鉄線沿線の住宅地需要・商業地需要が高まる可能性がある。

金沢区の加点要素は、高速道路(横浜環状南線)の開通だ。 2025 年度に、藤沢〜釜利谷が高速道路で繋がる。藤沢から先は、圏央道を通って海老名ジャンクション、つまり東名高速や新東名高速に接続する。
より広域の客が集められるようになるので商業地にとっては有利となるだろう。すでに金沢区の首都高沿いにコストコがある。横浜環状南線の開通により、戸塚や藤沢からもコストコに集客できるだろう。コストコの集客力アップにつながり、ひいては周辺の商業需要アップにも繋がる可能性がある。
さらに大型ロジスティックセンターの誘致もありえるだろう。この道路による影響は、かなり大きいものになるかもしれない。

この 2 区はズーラシア、八景島シーパラダイスのランドマークで加点されているため最下位争いから抜け出せている。旭区在住の私としては、声を大にして「ありがとうズーラシア!」と叫びたいぐらいだ。
このランドマークで凌いでいる間に、 2022 年、 2025 年度、それぞれの区が加点できることを期待しておこう。

16位. 泉区

総合得点 -14.66

人口増加では平均以下( -1.26 ポイント)ながら、総合順位上位の港南区( -2.25 ポイント)、旭区( -2.35 ポイント)、金沢区( -2.36 ポイント)を上回っている。
泉区は東京からも山下公園からも遠いのがそもそも不利である。それでいて電車路線も不十分だ(相鉄いずみの線とブルーライン)。
なんか横浜市といいつつ、車がないと生活不便になるレベルなのでは? と思わせるレベルで鉄道が弱い。
小田急と接続する湘南台駅が泉区でないことが実に悔やまれる(湘南台駅は藤沢市)。小田急の加点があれば、最下位争いからは簡単に抜け出せたのに……。泉区にある駅からは湘南台には出やすく、新宿に出るのは思った以上に移動時間短いのに……。

泉区はどうやったら加点を狙えるか、考えてみよう。
「人口増加が、上位 3 区に勝っている」点を考慮して、商業地の価値上昇によって加点が狙えないだろうか? ちょうど区内には主要市道である環状 4 号線が走っている。
電車が弱い分、車移動が多い特性を利用して環状 4 号沿いに大型商業施設を建設してみるというのはどうだろう? しかしそれは前途多難である。
東 12km に横浜&みなとみらい、西 11km に海老名(ららぽーと&ビナウォーク)、北 10km に南町田グランベリーパーク、南 10km にテラスモール湘南と、見事に 10km 圏内に大型商業施設が配置されている。そのエアポケット的立ち位置の泉区に、高速道路もないのに、片側 2 車線道路も無いのに大型商業施設を作ろうなんて考えるデベロッパーは存在しないだろう。
商業は詰んでるので、地道に宅地開発してコツコツやっていくしかない。

17位. 栄区

総合得点 -15.82

こちらは泉区に輪をかけて鉄道が悲惨。根岸線の本郷台駅しかない。
「え、栄区には JR の大基幹駅である大船駅があるだろう!」と思うかもしれない。しかし、残念ながら大船駅は鎌倉市なのである。駅構内の半分は栄区なのだが……。
せめてドリームハイツ線が今でも生きていれば、着実に 1 点は加点されていたのに。
※ドリームハイツ線は、かつて存在していたモノレール。ドリームランド(現ドリームハイツ)と大船駅を結んでいたが、設計不良で廃線となった。

では道路はどうか、というと、現状それほど優秀とは言えない。
環状 3 号線、環状 4 号線の両方が走っているが、沿線が商業的に活発かというとそうでもない。
結果的に地価(商業地)は全体最下位( -12.40 ポイント)、地価上昇率(商業地)は全体 17 位( -6.78 ポイント)に沈んでいる

しかしながら、栄区も金沢区と同様「横浜環状南線」の影響を受けて需要増される可能性を秘めている。横浜環状南線の IC が栄区公田に建設中であり、これにより栄区には商業施設や、大規模ロジスティックセンターができる可能性がある。
さらに環状 3 号線が 2022/03/24 に国道 1 号線と接続された。実に 20 年以上も「あと 1km 延びれば繋がる」状態で放置されていたが、ついに繋がった。これだけでは大勢に影響は無いが、今後環状 3 号は延伸を続ける予定だ。
全線開通の際にはきっと栄区の価値も高まるだろう。ただし、その時にこれを読んでいる人は誰も生きていないだろうが。

18位(最下位). 瀬谷区

総合得点 -16.60

最下位は 2020 年に続いて瀬谷区となってしまった。
地価(住宅地)、地価上昇率(住宅地)で全体最下位(それぞれ -4.96, -2.67 )となり、東京都の距離も最下位( 15 位タイ)、横浜との距離も最下位( 16 位タイ)、路線評価も最下位( 17 位タイ)とあっては、この順位もやむなしである。

正直「あ、瀬谷って横浜だったっけ?」と言われるレベルで存在感がない。
海老名市、綾瀬市、大和市、瀬谷市、の並びだと言われても一瞬信じてしまう程に、横浜の一部であるという印象は薄いだろう。いや、むしろそれらの市よりも印象は薄い。
海老名はサービスエリアが有名だし、 JR 相鉄線の終着駅でもあるため名前が売れている。駅前に大型ショッピングモールも広がっている。
綾瀬市は米軍厚木基地がある。
大和市は超大規模図書館「シリウス図書館」が有名だ。それに渋滞の名所である「大和トンネル」で名前も売れている。
瀬谷には何もない。ただただ、スプロール化の極みみたいな市街地を抱えるのみである。よっぽど区画整理事業を行わない限り上昇の目はないだろう。
しかし横浜市であるがゆえに、横浜市が瀬谷の区画整理に予算をまわすとは思えない。

横浜市でなければまだ可能性もあっただろうに……。そういう意味でも、横浜にもっともマッチしない区なのかもしれない。

瀬谷に何か有名なスポットがあれば最下位脱出も可能である。しかし瀬谷に大きなランドマークを作ろうとするデベロッパーなどいるだろうか?
実は、いるのである。他でもない横浜市だ。
瀬谷区には、「旧米軍上瀬谷通信施設跡地」という広大な空き地がある。今、その広大な空き地は野球のグラウンドと市民農園として使われているだけの、ただの空き地だ。そこに一大観光施設を建設しよう、と横浜市が計画しているのだ。どうせ採算が取れないだろうに、めちゃくちゃな事を言い出すヤツがいたもんである。
この観光施設が仮に作られて、仮に成功したらランドマーク加点が行われて、晴れて最下位脱出となるだろう。
まぁ横浜市が第三セクターである横浜シーサイドラインに瀬谷駅〜通信施設跡地に新規路線の検討を依頼したら、採算取れないって断られるレベルなので実現性は極めて低いと言わざるを得ないが。

まとめ

今回の 2022 年版は 2020 年版に比べて、よりよい指標になったんじゃないかな〜と自負しています。あまりにノリノリになったために、各区の説明文が長くなりすぎてしまったんだけども。
でもいいよね、色々と各区に思い入れがあるってことだよ。下位に長文書いてるのも、思い入れが深いからであって他意はないのですよ。うんうん。

それにしても西区圧倒的すぎよな。
だってグラフにしたら↓だもん。

参考

データ引用元

  1. かながわ地価レポート
  2. 令和3年中の人口動態と令和4年1月1日現在の年齢別人口

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