- 再放送を見てみた
松嶋菜々子が医療訴訟で訴えられてるところから始まるストーリー。
医局長としてユースケ・サンタマリアが登場するんだけど、ユースケは救命救急の現場がキツすぎる状況をなんとか改革したいという使命感を持っている。
また、救命救急の現場スタッフは過剰なほどに医療訴訟を恐れている。劇中のセリフで、スタッフの口を借りて医療を受ける側のワガママを非難する。
それに対して主人公の江口洋介は、救命救急に携わるスタッフは無私の心情ですべてを患者のために捧げるべきだというスタンスでいる。
これはシリーズ初期から、相変わらずのスタンスである。
- このドラマのテーマは?
テーマ1「救命救急の現場はすごい頑張っている。いや、頑張るべきである。患者搬送の受け入れ拒否は悪。医者は可能な限り働け」
テーマ2「患者は、医療現場の過酷な状況を鑑みて、医療訴訟をすべきでない。するやつはワガママ。悪である」
テーマ3「今の医療制度では限界がある。今すぐ国は医療制度を見直して、救命救急の現場を良くしていくべき」
物語の中で、医療訴訟をしている遺族と医者が話し合いで和解したりするんだけど、とんだ茶番。
ユースケが遺族に「訴えるべきは、医者ではなく厚生労働省です」というセリフがあるんだが、それは医者としての立場の発言。
その発言で遺族が納得するわけがないだろう。というか俺が遺族だったら間違いなく納得しない。
「本当に制度上の問題であれば、医者を訴え、賠償金を勝ち取り、その結果として現状の医療制度の限界が世間に広く広まる。その方が制度改革の近道ではありませんか?」
という方向に話がいくのが、遺族としての立場としては当然だろう。
- 結局、主人公が邪魔
江口洋介がいなければ、もっと話がスムーズにすむと思うんだけど。
ユースケは医者としての立場から、現場を変えるための最善のアクションとして「救急搬送受け入れ数の制限」を打ち出す。
それのどこが悪い?
受け入れ数は制限すべきだろう。現場を守るためだ。現場の長としては当然の対処だ。
それを現場の部下の勝手な判断でバンバン受け入れて、結果現場が疲弊していくのではどうしようもない。クビにした方がよっぽどいいんじゃないかとすら思える。
江口洋介は劇中で「それでは受け入れ拒否された患者はどこに行けばいいんだ?」と問うが、そんなの知ったこっちゃないだろ。
たらいまわしにあって死ねばいい。
それが「国の制度を変える」ということだ。
ユースケはその覚悟で挑んでいる。テレビの取材も受け、批判の矢面に立つ覚悟もある。
対する江口洋介は、ただ自分の正義感を振り回して、限界まで働いていたずらにスタッフを疲弊させていく。
これのどっちが正義だ?
わけわからん。ユースケが正しいのは自明だろ。
制度というのは、組織というのは、国というのは、一人のスーパースターを基準に回っているんじゃない。
一般的な能力の人間が、一般的な生活が送れるようにするためのものが「制度」だ。
現状の制度は、一般的な人間の多大なる自己犠牲の上に成り立っている。
それではダメなんだ。永続的に「自己犠牲が当たり前」みたいな風潮が続くようではダメなんだ。
キチンと激務には正しい報酬を。また、激務とならないような人員バランスがとれるような報酬を。
それがユースケの訴えている内容だろう。
それなのに江口洋介は内部で邪魔をする。
ここまで主人公が邪魔なドラマも少ないんじゃなかろうか。
ま、とにかく、ユースケの言っている事が正しい。
江口は黙って仕事をしろ。
2019/01/30 追記
- ほし: ★☆☆☆☆ (1/6)
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